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協同組合法vol.33

トピックス/新東葛病院付属診療所が完成! 来年1月4日からオープンします
所長(新) 伊東  繁
看護師長 内田てる美
事務長  荒巻  紀子

竣工祝賀会、盛大に開催

 ――12月11日、東葛病院付属診療所及び東葛歯科の竣工祝賀会が東葛看護専門学校4階体育館で開催されました。午前中には内覧会も行われました。お三人とも、建物が完成するまでの気苦労や祝賀会の準備などでてんてこ舞いだったことと思います。
 祝賀会は盛大でしたね。何人の方が参加されましたか。


【荒巻】約250人の方がおいでくださいました。

 ――そもそも付属診療所の建設のいきさつは?

【荒巻】東葛病院ができて23年になります。老朽化が進んできており、あちこち本格的に修理する必要が出てきています。それで、病院のリニューアルを機に、現在の手狭な病床面積を厚生労働省の基準に合うように広げようということになりました。その場合、許可病床の331床を全面活用するためには、病院の外来部分を外に移さないとスペースが確保できません。
 それから、現在の東葛病院付属診療所も、患者さんが行き交うこともできないような狭さで、処置室が取れなくて処置スペースで採血しているといった状態です。そこで、東葛病院の外来機能と現在の付属診療所の機能を合体させて外来全科が入る、さらに歯科も入るような診療所を新しく建設しようとなったわけです。
 新診療所は4階建てで、各階の配置は3ページのようになっています。

 ――建設にあたって、どんなご苦労がありましたか。

【荒巻】ご存知のように東葛病院は、1982年7月に開院し、わずか1年後に倒産状態となりました。それ以降、長く険しい再建の道のりを経て今日の東葛病院があるわけです。私も再建を担ってきた一人ですが、今回の新付属診療所の建設は再建に向けての苦労とは全く違う、「新しいものを作り出す」苦労というか、苦労というよりも、夢をどう実現させていくかという過程の大変さという感じでしょうか。

 ――そうすると、建設は順調に進んだわけですか。

【伊東】順調ともいえなかったですね。駐車場の中から変な井戸が出てきたりして。金塊は出てこなかったけど(笑)。

【荒巻】それでお祓いをしました。あとは駐車場を広げるというところでは苦労がありました。診療所建設にあたって患者さんにアンケートをお願いしたんですが、もっとも多かった要望が「待ち時間を短縮してほしい」と「駐車場を確保してほしい」だったんです。
 駐車場は病院の裏に確保できましたが、駐車場に出入りするための道路も必要です。汚水などを流す川があって、そこにフタをして道路にしたいということで、地元の人たちに協力をお願いしました。
 道路にすると、畑だった静かな環境が一変しますから、承諾をいただくまでなかなか大変でした。担当の大平建設委員会事務局長は身が縮む思いだったでしょう。

患者数は1日700人を超える見込み

 ――患者数は何人ぐらいになる見込みですか。

【荒巻】現在、付属診療所で1日約200人、東葛病院で約600人ですから、少なくても1日700人は超える予定です。

 ――今の診療所と新設の診療所とでは何が変わりますか

【内田】新しい診療所では、全科で予約制を導入し、患者さんの待ち時間を少しでも減らしたいと考えています。
 それから、オーダリングシステムを導入します。これまでは診察のあと採血や注射の指示が出たり、レントゲンの指示が出たりで、それを看護師が伝票を作って事務処理をしていました。オーダリングシステムになると、医師が診察室の机のパソコンで指示を出せるようになり、転記による間違いもなくなり、より安全性の向上がはかれることと、事務処理が少なくなるということで期待しています。

 ――オープンは1月4日だそうですが、そうすると、冬休みが大変ですね。

【荒巻】12月28日の夜からカルテの引越しを行い、31日に片付けの予定です。引越し、開設準備が冬休みにかかりますが、診療所の職員は「よし、やろう」と覚悟を決めています。
 東葛病院の再建では、次はこの病棟を開く、この病棟とこの病棟をチェンジするということを繰り返しやってきましたが、とにかく休まずにやる、休んだらその分経費が嵩みますから、休まずにやるというのが東葛病院の歴史ですから。

【伊東】それはすごい歴史ですよね。

【荒巻】職員総出で準備をすすめ、1月4日から支障なく……と行きたいところですが、どこまでできるか、不安はあります。

【伊東】普通だって4日は外来が混みますからね。しかもオーダリングシステムが新規稼動しますから、力を合わせてやっていかないとと考えています。

一人ひとりが能力を100%発揮して

 ――伊東先生は長年大学の小児科学教室に勤務され、2002年1月から東葛病院に来られました。長年の夢であった東葛病院の小児科体制の強化を実現させるために、先生に来ていただいたわけです。付属診療所の所長に就任されるにあたって、こういう医療をやりたいとか、何か構想を考えていらっしゃいますか。

【伊東】まだ何も考えておりません。小児科で来たときも白紙の状態で来まして、4年間で何とか格好がついたかなと思っています。山口現所長、荒巻さん、内田さんに教わってやっていくつもりです。
 外来部門が全部集約されるわけですから、どういうふうに全体を回していくかということを考えなければいけません。職員一人ひとりが、本当に患者さんのことを考えて、しかも自分の能力を最大限発揮できるような、そういう仕事をしていくことが大事だし、そういうことができたらと考えています。
 つまり、どれだけ一人ひとりの職員の能力を引き出せるか。医療情勢が大変厳しいですから、一人ひとりが100%能力を発揮しなかったら、いい仕事はできません。逆に言えば、能力を100%出せれば、少ない人数でもやっていける。今はまだその一人ひとりの能力が引き出しきれていないんじゃないかなと思っています。医師にしても看護師にしても事務にしても。
 自分の能力を最大限発揮することができれば、仕事のやりがいを感じるし、それが患者さんに反映していく。そうなれば、仕事はもっと楽しくなっていく。そういうことを目指したいなあと思っているんです。

地域の信頼を裏切らない診療所に

 ――職員は何人になりますか。

【荒巻】目下いろいろやりくりしていますので、まだ決めきれていませんが、100名は超えるでしょう。

 ――それでは最後に決意をひとことずつお願いします。

【荒巻】まず、患者さんを減らさないということです。今度は東葛病院のリニューアルを成功させなければいけませんので、経営的にも付属診療所が頑張らないと。それから、待ち時間の短縮は相当気合を入れて取り組んでいきたい。
 今回、地域を訪問して、改めて地域の方々の信頼、支えの大きさを実感しました。そうした地域の方々の信頼を裏切らない診療所にしなければ、と身を引き締めています。

【伊東】地道に地域に根を張っていければ、守る会という組織がついていてくれるというのは本当にありがたいと思います。医療情勢は本当に厳しいですからね。

【内田】気持ちよく受診していただいて、安心して帰れる診療所にしていきたい。「看護師さんがいいから来るんだよ」と言ってもらえるように、看護集団としても頑張っていきたいと思います。
 それから、これまでは事務作業にも追われていましたが、業務改善もされますので、看護として関われるように組み立てていきたい。看護療養指導や慢性疾患管理、訪問診療も充実させていきたいと考えています。

【伊東】私は二つあります。一つは医療内容についてです。専門性はもちろん、専門性を生かしながら総合的にみていくためには、医師はもっともっと自分の腕を磨いていかなくてはいけません。そのためには横の連携も必要です。もう一つは、地域の医師や医師会と、地域の健康を守るという同じ立場で連携していくことが重要です。そういう気持ちを持ってもっともっと地域に出て行く。そして、行政との関わりも強めていく。
 私が大学にいたとき、近くの公立病院がリニューアルしたんです。すると、大学病院の患者さんがゴソっと減っちゃった。だけど、2、3年たったら、また患者さんが戻ってきた。結局、建物が良くても、中身が変わらないとだめということなんですね。
 患者さんはよく見ています。「いい診療所ができたから行こう」と一時的に来るかもしれないけれど、ゴソッといなくなる可能性もある。患者さんから「やっぱりここに来て良かった」と言っていただくためには、何よりも中身の充実が大事です。そういうものを職員みんなで切磋琢磨してつくっていきたいと思っています。

【荒巻】内田さんは診療所の寝言を言うそうです(笑)。先日、患者さんが「この診療所に来るのも最後だな」としみじみおっしゃいました。今の診療所は手狭な分、患者さんと職員の距離が近く、気持ちが伝わってくるような関係です。それが建物が大きくなると患者さんも不安を感じるらしく、「病院みたいになっちゃうのかしら」とも言われました。建物が大きくなっても、患者さんと職員、職員と職員、お互いの気持ちが触れ合うような診療所にしたいですね。



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