新しい体制でスタートして
今月号の事業所は「トピックス」に続いて健友会を紹介しよう。健友会には9つの診療所があるが、うち8つはいずれも戦後直後から1960年代に開設された、古い歴史をもつ。一番若いのが中野共立病院付属中野共立診療所であり、中野共立病院の隣に1997年6月開設された。
おととしの7月から事務長になった荒井均さんは、「この2年はバタバタの忙しさでした」と振り返る。03年の秋から電子カルテ導入の準備をすすめ、04年4月から開始。一息つく暇もなく、同年秋から、中野共立病院の建て替えに伴って、その機能の一部を移すための増改築が始まり、今年4月から新しい体制でのスタートを切った。
「まず、CTスキャン、テレビレントゲン、内視鏡など病院の外来検査機能は全部診療所に移しました。ないのはMRIぐらいで、たいていの検査ができるようになりました。『共立病院がない間、不安だ。何とかしてほしい』という地域からの要望を受けて、今までのレベルが保てるようにしたわけです」
また、5月からは24時間対応も始めた。病院が2次救急指定の受け入れをしていたため、「夜中に何かあったときに相談できないようでは困る」という地域の声が非常に大きかったのだ。24時間、医師と看護師、事務が対応する。
透析治療を開始
さらに、改装を機に、新たな機能として透析治療を開始した。
「これはぜひ強調したいところです。共立病院ではやっていなかったので、中野地域で初めての取り組みになるんです。当初は『需要があるだろうか』と心配しましたが、中野駅徒歩5分という地の利の良さが功を奏して、まず10床からスタートしたところ、すでに満床です」と荒井事務長は話す。今は10床1クールだが、2クールにすれば20床、最大40床まで可能だが、マンパワーが追いつかないという。「今後、どういう運営をしていくかが課題です」と事務長は言う。
外来検査機能、24時間対応、透析治療の開始によって、職員数は29人から一挙に51人(常勤41人、常勤換算10人)に膨らんだ。
「この2年間、職員は本当によく頑張ってきました。そして、さらにまた新たな挑戦が始まっています。人が増え、部門も多くなり、現場は本当に大変ですが、東京勤医会をはじめとする東京民医連の各法人が支えてくれていることを思うと、伊藤所長もコメントで指摘しているように、健友会の診療所は、病院の建て替えを成功させるけん引役として奮起しなければいけません」
荒井事務長は熱を込めて語る。
職員一人ひとりの力で
診療所は経営的な面からも病院の建て替えを支える必要があることは言うまでもない。だが、共立診療所は4月、5月ともに大幅な赤字になってしまったという。
「重装備になって負荷がかかってきますから、ある程度は予想していたんです。が、予想を超えていました。4月が1500万、5月が500万、2ヶ月で2000万の赤字ですからね、正直、頭を抱えてしまいました」
中野共立診療所はずっと黒字だった。それが02年10月の診療報酬改定の影響で外来患者数が減り、04年度は初めて赤字となった。その赤字をさらに広げる形で新年度がスタートしたわけだから、所長、事務長をはじめ職員の心痛は想像して余りある。
「方策はありますか」。こんな月並みな質問を向けることしかできないところが悔しいが、荒井事務長の胸にはたぶん様々な方策があるのだろう、丁寧に答えてくれた。
「外来患者さんを増やすといっても、そう簡単じゃありませんから、特に経営的には、在宅と健診に力を入れていくしかないかなと私は見ています。それから、かかりづらくなっている患者さんをいかにかかりやすくするかという議論を始めました。その一つとして、気になる中断患者さんのご自宅を訪問して、困っていることはないかなどお話を聞き、経済状況、生活状況を把握する活動に力を入れることにしました」
中断患者さんに電話をかける活動はどこでもやっているが、中野共立診療所は電話ではなく、手分けして定期的に直接訪問することにしたのだ。
介護分野では、改修に伴い、今年4月から通所リハビリテーションの施設を拡大し、20人定員から40人定員に広げた。中野区には現在のところ、通所リハビリテーションの施設は皆無だそうで、「今のところ、独占状態です。地域の皆さんに喜ばれるものにしていきたいですね」と事務長は意気込む。
往診は月〜金まで定期往診を行い、臨時往診もやっている。管理数は5月現在で120人だ。
「診療所の1日の外来患者数は250人です。その割には往診が少ないんじゃないかという印象があるんです。それで、今年度は管理数200人という目標を掲げて奮闘しています」
また、04年4月から居宅介護事業所にケアマネージャーを専任配置した結果、ケアプランの需要が非常に増え、そこから往診、通所リハの患者さんも増えた。ケアプランは現在130件、月に5〜6件のペースで増えているという。
「どこの事業所もそうですが、目標は毎年立てているんです。それを実践できるかがカギであって、そこがなかなか難しいところですが、職員一人ひとりが自覚をもって、一人ひとりの力で、先のイメージを描きながらやっていくことが大事だと思います」
6月29日、他の法人に出向している職員も含めて全職員が一堂に会し、交流と意思統一をはかる。一歩一歩の地道な積み重ねによって山は動く。
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地域からの声を大切に、
新たな取り組みにチャレンジしています!
伊藤浩一所長
中野共立診療所は、医療の質の向上やインフォームドコンセントの充実、医療の効率化を図るため、2004年4月から電子診療録を導入しました。1年が経過しおおよそ順調に運営されていますが、細かな運用面や患者様に対しての十分なメリット部分の提供はまだまだこれからです。
2004年10月から中野共立病院現地建て替えに伴う増改築が今年4月まで行われました。新病院の開設は2006年10月予定なので、約1年半の間、中野共立診療所が地域の期待を裏切らぬよう運営しなければなりません。旧病院にあった検査機器、CTやTVレントゲン、内視鏡室など、病院で行っていた外来検査関係はすべて移動しました。また新たに透析医療を開始しましたが、JR中野駅に近いこと、近隣に透析医療機関が無いことから、地域からの期待は膨らんでいます。
その他地域からの強い要望で、24時間診療体制を続けています。急に発病した患者様や在宅患者様には、たいへんに喜ばれています。
重装備診療所になった反面、経営的にはたいへん厳しい状況は変わりませんが、更なる質の向上とサービス向上をキーワードに病院建て替えを成功させるけん引役として頑張っていきます。
最後に、入院が必要な患者様は、代々木病院や大泉生協病院、その他民医連の病院に多くの患者様を受け入れていただき、あらためて連携の強さを感じると共に、ご協力に感謝しております。今後ともよろしくお願いします。
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