今が成長できるチャンスなのかも……
代々木病院4階(療養病棟)看護師 古沢和香さん(27)
看護師になったものの、古沢さんの迷いは続いていた。もともとは保健師志望。保健師の学校めざして勉強したいが、新米は仕事を覚えるだけで精一杯。「やめて受験勉強に専念しようか」と考え始めた頃、3階一般内科病棟から4階療養病棟へ異動、しばらくして主任代行の話が来た。さあ困った。主任代行が務まるだろうか。保健士もあきらめたくないし…。古沢さんの迷いはさらに深まった。
――主任代行の話が来たときの正直な気持ちは?
話があったのは03年の11月頃でした。当時、療養病棟は看護長が不在の時期で、主任が看護長代行をしていて、それで私に主任代行をやってほしいと。2役とも代行になるわけですから、荷が重いと思いました。それに勉強もしたかったので、断ったんです。そしたら総看護長から「あなたしかいないのよ」と説得されて。
それで引き受けたものの、病棟は本当にバタバタしている状態で、「私に何ができるんだろう」という気持ちがずっとありました。新しい看護長が来る来ると言われながら、延期になってしまう。病棟の状況を見れば見るほど、私自身も保健師をあきらめたわけではなかったので、「主任代行をちゃんとやれる人が来たほうがいい」と思いました。それでそう話したところ、「新しい主任さんなんかどこにいるのよ!」と言われたりして。たしかに、そんなこと言っていられない状況でした。
――そこで「やめる」という選択をしなかったのはなぜ?
私は「何事も3ヵ月」と決めているんです。「石の上にも3年」では長すぎて身が持たない(笑)ので、とりあえず3ヵ月は頑張ってみようと。それで主任代行として3ヵ月やってみると、自分の気持ちの中に小さな変化が起きていた。ここで育っていきたい、今が成長できるチャンスかもしれないという実感を持ったんです。療養病棟は介護福祉士さんの力が大きくて、学ぶものがたくさんありますから。
去年の春、新しい看護長が来て、病棟も落ち着いてきました。しばらくして私が主任になりました。少しずつ仕事が見えてくるようになると、保健師か仕事かという中途半端な気持ちでいるよりも、今は仕事を優先させてもいいかなと思えるようになりました。「私が主任でいいのかな」という思いはちょくちょくあるんですが。
――どんな主任をめざしていますか?
療養病棟は看護師と介護福祉士の協同作業の場なので、お互いの仕事をわかり合うことが大事ですが、そこがもうちょっと、というところなんです。業務内容が線引きされているところがあって難しい面もありますが、看護師さんにはこうしてもらいたい、介護福祉士さんにはこうしてもらいたいとお互いに言い合っているばかりではだめで、「じゃあどうしていこうか」と話し合い、協力しあってやっていけるような職場づくりができればいいなと思っています。
|