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協同組合法vol.22

若者たちの流儀

第3回 「この仕事が好き」編


心のケアのできる看護師めざして
みさと協立病院精神科(2北病棟)看護師 石塚 久美子さん(30)

 石塚さんと話していると、気持ちいい。つねに相手への心遣いがあるせいだろう、会話のキャッチボールがじつにうまいのだ。といって、相手に合わせ過ぎて自分を見失うなんてことはない。「精神科の看護が好き」という言葉に石塚さんの仕事ぶりがにじんでいる。

 ――みさと協立病院の精神科が第一希望だったとか。

 はい。准看時代に開放病棟と閉鎖病棟の両方を持つ病院で精神科実習をしたんですが、開放といっても鉄格子があり、鍵で閉められていました。その後、東葛看護専門学校の2科に入学し、みさと協立病院の精神科に実習に来て、本当の開放病棟というものを目の当たりにして、「こんなことができるんだ!」と感動しました。

 ここは、患者さんとスタッフの間に垣根がないんです。押し付ける治療ではなくて、その人の気持ちに寄り添ってケアしていく。そういうスタッフを見て、就職するならここしかないと。ここで学んで、患者さんの見えない心の傷、病の裏に持っている心の痛みをケアできるような看護師になりたいと思ったんです。

 ――30歳で卒4ということは、転職を?

 スポーツクラブのインストラクターを3年やりました。一見華やかな仕事ですが、私にはどうもしっくり来なかった。前面に立つよりも、見えないところで人の世話をするといった仕事のほうが好きでした。それから、クラブには病院で運動をすすめられた人やリハビリ目的の人も来ます。そういう人のメニューを組み立てるんですが、体のことを理解していないのにプログラムするなんて申し訳ないという気持ちもありました。

 看護師のほうが向いているんじゃないかという気持ちが強くなり、看護学校に行くために貯金を始めました。20歳から一人暮らしをしていたので、家賃やら食費やらの生活費がかかります。それでも親からの金銭的な援助は一切受けず、自分の力で看護師になりました。

 患者さんは純粋で、要領よく立ち回るなんてことはできません。患者さんと接していると、自分はなんでこんなにスレちゃったんだろうと思うことがある。うまい言葉が見つからないのですが、精神科が好きです。

 「やめたい」と本気で思ったことは一度もありません。一度社会に出て、改めてこの仕事を選んだから、「自分に合った仕事が他にあるはず」といった迷いがないことも大きいかも。それで、「辛い」と悩んでいる人がいると、「ご飯食べに行こう」と誘ったりして、悩みの聞き役に回ります。もちろん逆もあり、ささやかなグチを言い合える仲間がいるからこそ頑張っていられるのだと思います。

 ――とはいえ理想と現実とのギャップで悩むこともあるのでは?

 もちろんあります。病棟再編で精神科が1病棟に縮小され、次々に課題が出され、一時ギクシャクした雰囲気がありました。でも、「何とかしていこうよ」とみんなで声を出し合っていくのがうちのチームのいいところだと思う。波をみんなで乗り越え乗り越えしながら、チーム全体がぐっとまとまってきた感じがします。こういう実感をもてるんだから、私って恵まれてますよね。




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