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とうとう浦和レッズがセカンドステージ優勝を成し遂げた。惜しくもチャンピオンシップはPK戦で敗れたが、浦和サポーターの私としては本当に感激だ。Jリーグが始まった当初は負けに負け続け、途中光明が見えたように思った時期もあったが、J2落ちというどん底も経験した。
優勝に到達できた要因は、よく言われることだが、「日本一」というサポーターの存在を欠かすことはできない。低迷が続いたにもかかわらず観客動員は常にJリーグトップで、クラブの収入を支えた。経営の安定を基盤にチーム強化が実ったのが今年の成績につながった。しかし、これをプロ野球の阪神のような「人気チーム」として説明するのでは本当の姿は見えてこない。
Jリーグ発足当初から、地元のサポーターは浦和レッズを「我が街のチーム」、財産として、たとえ負け続けても自ら育て強くしようという姿勢を持ち続けた。それがまた地域の人たちの共感を呼びサポーターを増やし続けた。一方、チームもJリーグの理念でもある「地域密着」を地道に実践しサポーターの支持を広めた。私は浦和に住んでいるが、浦和レッズとJリーグが生活の一部となっていることが実感できる。
サッカーの話ばかりで医療のことと関係ないじゃないかと思われるかも知れない。しかし、同じ人間のやることであり、そこには人間社会の様々な問題が凝縮されている。Jリーグ発足とその発展、日韓ワールドカップなどを経験し、サッカーとサッカー文化の汲み尽くせない奥深さをますます感じるのだ。
Jリーグには先にも述べたように「地域密着」、サッカーというスポーツを通じて地域の文化に貢献するという理念がある。実はヨーロッパではこれは当たり前のことだ。日本でプロスポーツといったら、従来はプロ野球や大相撲であって、どうしても「興行」というイメージが強い。選ばれたプレーヤーのみがプレーし、我々は観る(特にテレビで)ということで、そこには「参加」という側面がきわめて少ない。ヨーロッパでは、もともと地域にあった、いわば会員制のクラブから発展してプロチームになっている。従ってそのすそ野は広く、イングランドでは90前後のプロサッカーチームが4部制でリーグを行っている。まさに「おらが街のチーム」なのだ。
ちょっと飛躍しているように感じるかもしれないが、私たち東京勤医会、民医連の理念というのもこれと同じではないかと思うのだ。勤医会の「サポーター」や地域の方々との協力・共同がなければ勤医会は成り立たない。協力基金など金銭面で多大なサポートも受けている。しかし、私たちの歴史を振り返ってみると、「地域密着」を実践してきただろうか。
この件でJリーグにも教訓的なことがある。Jリーグ開幕当初、ヴェルディ川崎が実力もあり人気も一番だった。しかしマスメディアを通じての人気拡大を重視し地域密着をおろそかにして、その後低迷の途を歩んでいる。一方、今年は浦和レッズを上回る観客を集めるチームが出現した。アルビレックス新潟だ。後ろ盾となる大企業のスポンサーもなく、全国的なマスメディアにのることが無いにもかかわらず、まさに「地域密着」で全国にその存在感を知らしめた。
確かに医学は普遍的なものである。また現在の世界はいわゆるグローバル化が進んでおり、広く情報を求めなくてはいけないであろう。しかし医療・福祉はきわめてローカルな営みである。現在、すでに一部では叫ばれているが、「グローバルに思考し、ローカルに行動する」これが、私たちの取るべきスタンスではないだろうか。
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