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十枝(とえだ)の森(千葉県大網白里町)には仙人のようなかわいいおばあさん(澄子さんと言います)が住んでいます。地面に落ちた枯葉まで大好きな澄子さんが生まれたところです。澄子さんは戦争前の若い頃、東京で少し働きました。しかし、都会には自然がないこと、そして何のために生きるのか苦しみました。だから十枝の森に帰ってきてしまいました。それから、結婚もしないで今はひとり森に暮らしています。森がいつまでも残るようにと、町に寄付され、澄子さんは管理人としていまも元気です。
澄子さんは昨年『「人類木」によじ登る』という本を出版しました。そのなかの一節に「無心そうに枯枝が落ち、落ちた枯枝の無心そうな重みで、ナデシコの茎がおじぎしている。どこにも、神サマの意志の手がつきそっている気配はなく、自然は自然に動き続けているみたいに見える」。澄子さんは哲学者でもあるのです。月に1回ほど、森を訪問して澄子さんとお話しします。どなたでも、気持ちよくお話をしてくれます。
【写真と文】みさと協立病院 西館静夫
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