可愛くてチュッチュチュッチュ
女性が子どもを育てながら働き続けるためには、周囲の支えと環境づくりが必要だ。岩本さんはそれらを上手につくり出して子育てと仕事を両立し、生活を楽しんでいる。
愛娘はみかん
1年間の育児休業後、今年4月から仕事に復帰しました。1歳6ヵ月になる愛娘の名前は弥栞、「みかん」と読みます。太陽をいっぱい浴びて、のびやかに育ってほしいと思って付けました。
小さな子どもを育てながら働く場合、家と保育園と職場が近いというのは最高の環境だと思うんです。弥栞の通う保育園は、はたがや協立診療所から歩いて5分、自宅も診療所から歩いて5分、「うらやましいトライアングルね」と言われます。夕方仕事を終えて保育園に迎えに行き、5時半にはもう家に着いています。時間にゆとりがあるから、肉体的にも精神的にも楽です。
この保育園、じつは私も通った所なんです。弥栞が生まれた産婦人科は私と姉が生まれた病院。つまり、私が生まれ育った渋谷区本町の実家の近くに住んでいるというわけです。残業などで遅くなる場合は、夫か実家の父母が保育園に迎えに行ってくれます。父母は初孫ということもあって、可愛くてしょうがないみたいです。
夫とは「一緒に子育てしよう」と話し合い、何でもやってくれます。私はロックが好きで、時々、弥栞を夫に預けてコンサートに行きます。ノリノリの気分になるのって、気持ちいいですよ。
職場も恵まれています。両親は「育児休業のあと、本当に復職できるの?」と心配していましたが、家から近い診療所で働けることになって本当に良かったです。しかも職員のみなさん、すごく理解があって、「そろそろお迎えの時間でしょ、どうぞ」と言ってくれます。復帰した職場が冷たかったら、すごく辛いと思う。夫、親、職場という周囲の支えがあるから、ゆったりとした気持ちで子育てを楽しむことができます。悲惨な幼児虐待のニュースを聞くにつけ、助けてくれる人がいるということは非常に大きいと思います。
愛情をたっぷりと
弥栞は指先が器用で、ペットボトルのふたを開けることができるんです。観察力も鋭いような気がします。「なんてかしこい子なの!」「かわい〜い!」と毎日親バカしています。家にいるときはチュッチュチュッチュ、もうメロメロです。
子どもを産む前は、たとえば雨が降ったとき、自分だけが濡れないようにすればいい。でも、娘が生まれてからは、まず娘を濡らさないように気を配ります。自分は濡れたっていい。時々ふっと、父も母もこんなふうに一つひとつ手をかけて育ててくれたんだなぁ……と思います。自分が親になって初めて親のありがたみが実感としてわかるようになりました。
今、日本は凄惨な少年犯罪が多発していて、子育てに不安を感じている親が多くなっています。うちの子は大丈夫という保障は何もありません。でも、私は今のところ、子育てを不安に思ったことはありません。何か起きたら、そのとき考えようと思うし、困ったら周囲の人に「助けて」と言って解決していきたい。今はとにかく愛情をたっぷりと注いであげたい。そして、子育てを思いっきり楽しみたいですね。
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