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協同組合法vol.17

わたしたちの医療福祉宣言(5) 外苑診療所
半世紀の歴史に誇りを持ち、気軽にかかり続けられる診療所に


 新松戸メンタルクリニックの医療福祉宣言はちょっと面白いと言われます。

 まず前文の「路傍にたたずむお地蔵様のように」という表現が「あれ?」と目に止まるみたいです。このお地蔵様は田植え地蔵をイメージしたものです。

 信心深いじいさま、ばあさまが怪我をして田植えができずに困っていると、見知らぬ若者がやって来て田植えをやってくれた。不思議に思いながらも感謝の供物を持ってお地蔵様を拝みに行くと、お地蔵様に泥と苗がついていた……。「お田植え地蔵様」の昔話は、内容が少しずつ違いますが、日本全国いくつもあります。田植え地蔵に限らず、お地蔵様は常に年老いた者・弱い者の味方です。そういう医療人でありたいと考えています。

 項目のトップには、「戦争をはじめとするあらゆる暴力に反対する」を入れました。戦争は、心も身体も傷つけあるいは抹殺し、あらゆるものを破壊してしまいます。何はともあれ戦争はだめ、という強い意思を表明するためにトップに持ってきました。

 次は、障害を持つ人々がいきいきと暮らせる街づくりを進めること。そのためには地域に患者さんを支えるネットワークを作る事が必要です。所長が保健所の思春期相談を受け持ち、デイケア担当がメンバーとともに「心の健康フォーラム」の実行委員として参加し、わずかではあるけれど往診や訪問看護を行うなど、不十分ながら「地域」を意識した取り組みをしてきました。

 そんな中で今年7月、新松戸まつり≠ノ参加し、デイケアの活動の一つとして作ったビーズのアクセサリーを販売。デイケアのメンバーはイキイキと参加していました。病を得て社会や人間関係から引きこもってしまった患者さんがもう一度社会に出て行くきっかけになってほしい――こうした取り組みを通じて、デイケアが地域の中で何らかの役割を果たせればいいなぁ、と考えています。

 最後に「気軽に立ち寄れる診療所を目指す」と書きました。あまりにも精神科の敷居が低くなって、必ずしも「医療」の関わりが必要とは思えない相談も多くあります。周囲に相談できる友達や知人がいないという現代社会の反映とも言えるかもしれません。しかし、一方では「精神科」への偏見が頑固にあることも日々感じています。私たち街中のメンタルクリニックは「何でも相談所」みたいな面と、明らかに医療の関与が必要な方と、そして「精神科」へのこだわりから受診を迷っている方と、それらを包括して引き受けていくことが役割なのだと思います。そして、受診された患者さんがちょっと「ほっ」とできる診療所でありたいと思います。

医療福祉宣言

 私たちは、路傍にたたずむお地蔵様のように、常に患者さんの傍らで考え行動する医療人でありたいと考えます。

・ 私たちは、人の心を傷つける戦争をはじめとするあらゆる暴力に反対します。

・ 私たちは、障害を持つ人々がいきいきと暮らせる街作りを進めます。

・ 心に重い障害を持った人も、ちょっと心が疲れた人も、気軽に立ち寄れてホッとできる診療所を目指します。




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