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協同組合法vol16

この人に聞きたい(15)
ラリーは未知との遭遇、コマ図だけが頼り

モータースポーツに青春をかけた
東葛病院医事課
田中 浩司さん(39)

 もともと車好きだった田中さんは20歳の時に友人に誘われてラリーに初参加、以来、モータースポーツに熱中してきた。エントリー費を捻出するために食事を削ったこともある。「それだけかける金があるなら、ヨメさんもらえ」という周囲の忠告は「車のほうが言うこと聞く」と受け流し、多い年は年間20本のレースに出場した。北海道は網走生まれの網走育ち。走っても走っても道は続くことを知っているから、勝敗よりも走ること自体を楽しむ。

ラリーとダートトライアル

 日本でカーレースというと、鈴鹿や富士のサーキットで行われるF1とかF3000とかを想像するでしょうが、僕のやってきたレースはラリーとダートトライアルというモータースポーツです。ヨーロッパでは車の発達の歴史とともにモータースポーツが盛んになってきましたが、日本ではラリーもダートラも根付いているとはいえないから、まあマイナーなスポーツです。

 ラリーは、コマ図と呼ばれる地図を頼りに、与えられた平均速度をどれだけ正確に走れるかを競います。コマ図は交差点と距離しか書かれていない簡単なもので、この交差点から次の交差点までは何キロ、次の交差点を右折、といった具合です。ダートラは舗装されていない駐車場のような所で、立てられたバイロンのまわりを回って早かった人が勝ち、というもので、運転技術と車の性能がものをいいます。

 ラリーではチェックポイントが重要です。1ラリーで15ヶ所ぐらいのチェックポイントがあって、それぞれのチェックポイントで指定された時間との誤差を1秒1点で計算し、減点が一番少ない人が優勝です。たとえばAのチェックポイントからBまでは平均速度何キロで走れという指示がある。僕が指定時間より1分早くBに着いたとする。すると60点の減点です。遅くても早くても減点されます。100キロぐらいのコースだと、トップの人はせいぜい100点ぐらいの減点、つまり1分40秒ぐらいしか狂いません。1秒の価値が大きい競技です。

 ここでやっかいなのは、出場者にはこのチェックポントの位置が知らされない点です。信号機の赤でひっかかって遅れが発生した。じゃあ40キロで走れとなっているところを45キロにして遅れを取り戻そう、と加速し始めた途端、「あっ、チェックポイントだ!」なんていう意地悪なこともあります。参加者はどこにチェックポイントがあるんだろうと予測を立てる、主催者はまさかこんなところにはないだろうと参加者が考える所に設定して裏をかく。このだまし合いがスリリングで面白いところです。

谷底に落ちた!

 ラリーは一般道を走るので、他の車のいない夜中の開催になります。土曜日の夜10時にスタートして、ゴールが翌朝5時頃というのが普通です。僕が初めて出場したのは20歳で、スタートが千葉県市原市、ゴールが大滝村でした。運転者とナビゲーターの2人1組で走るんですが、途中のガタガタ道で揺られ、何度も吐きながらのレースになり、結局、ビリから2番目。

 出場回数? 20から35歳までの15年間やってきましたから、数え切れないですね。多い時には1ヵ月に2〜3本、3月〜10月までのシーズンで20本ぐらい走りました。スタートしたら、どんな道が待っているのか、おおげさかもしれないけど気分は「未知との遭遇」です。ナビゲーターが右折と左折を間違えて、田んぼに落ちたことがあります。10メートル下の谷底に落ちたこともある。迷子になってしまい、主催者の携帯に「そこに行くにはどう行ったらいいでしょうか」と泣きの電話をかけたこともあります。

 現在は徹夜がきつくなったので、主催者側として参加したり練習会に出たりして楽しんでいます。




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