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協同組合法vol12

この人に聞きたい(11)
鮎がかかったときの竿に感じる、あの感触がたまらない

代々木の“釣りキチ三平”
渋谷労釣会事務局長・代々木病院組織広報室 大島 肇さん(58)

 竿を出す。オデコだった。ヒキを楽しむ。“釣りキチ”大島さんの口から飛び出す釣り用語は楽しい。話し方がうまいのは5年前の渋谷区長選に立候補したときの訓練のたまものか、などと想像しながら聞いているうちにどんどん引き込まれ、清流が、岩のコケが、緑の山々が眼前に広がる。「いいですねぇ、釣りの趣味は」。そう言うと「ぼくのは趣味というより、もはや生活の一部」だそう。

鮎の友釣り

 ぼくのやる釣りは、ルアーやフライを除いた日本本来の釣りです。淡水魚も海釣りもやります。最も好きなのは、日本にしかない鮎の友釣り。鮎だけで6月から9月にかけて30日間ぐらい竿を出します。

 鮎の友釣りというのは、生きたおとり鮎を使って野鮎を釣り上げる独特の方法です。鮎の食性は幼魚のときは動物性だったのが、成魚になると植物性になって、岩のコケ(珪藻類)を食べる。自分の餌場を確保するために縄張りを持ち、他の鮎の侵入を許さないんです。そこにおとり鮎を入れると、野鮎が猛然と追い出しにかかり、おとり鮎の尾びれから出した掛け針にかかるというわけです。
 ぼくのホームグラウンドは福井県の九頭龍川(くずりゅうがわ)水系と秋田県の米代川水系です。この二つはほとんどが天然鮎で、放流はあまりやってないからいいんです。

 鮎釣りの醍醐味? ぼくは瀬釣りといって激流の中で釣るのが好きなんです。荒瀬の中を20センチほどの小さな野鮎がおとりをぐいぐい引っ張って走る。竿に感じるあの感触がたまりません。

 だけど、危険と背中合わせでもあるんです。九頭龍川では毎年死者が出るほどで、ぼくも3、4回死に損なった。中州に入って夢中になっていて、川の増水に気づかず、中州に取り残されてしまった。自然に対して傲慢になってはいけないということでしょうね。

 鮎のシーズンオフの10月〜1月にかけては、かわはぎ釣りをやります。かわはぎが「餌どろぼう」と呼ばれるのは、知らないうちに餌がなくなっちゃうから。難しい釣りの部類です。

鮎が釣れなくなっている

 ぼくはもともと何にでも熱くなるタチで、中学時代は蝶の採集に夢中になりました。当時、朝霞市辺りにはまだ国蝶・オオムラサキがたくさんいてね、ぼくは杉並の自宅から大人用の自転車に乗ってよく朝霞まで出かけたものです。採集だけでなく、幼虫を採取してきて飼育もしていた。まるでファーブルの世界です。当時は杉並でも鮒やくちぼそがいて、釣りもよくやりました。
 今、鮎が釣れなくなっているんです。冷水病という感染症が広がっていることと、川魚を食べちゃう鵜の増殖も問題になっています。ぼくはほとんどないけど、竿を出してもオデコ(釣果がないこと)ということもあるようです。
 感染症も怖いですが、川をだめにする張本人はやはり人間です。鮎の住む川はじつに綺麗です。この自然環境を守らなければ、と強く思います。




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