順調に伸びている
――(株)福祉協同サービスが事業を開始して1年が経ちましたね。今日は「1年を振り返って」ということでお話をお聞きしたいと思います。まず、会社の概要と、どんな事業を行っているかをお話しください。
★(株)福祉協同サービスは、健和会、千葉勤医協、東京勤医会の三法人グループで出資して立ち上げた会社です。足立区柳原に本社を置き、三郷市のここは中央営業所といいます。法人設立が2002年11月、指定貸与事業者の指定番号を受けたのが03年1月です。思えばあっという間の1年でした。
事業の内容は主に次の四つです。
(1)福祉用具のレンタル
(2)主に介護保険にかかわる住宅改修
200万円以上の工事も受けていますが、主には介護保険で給付が認められている20万円の範囲内での改修です。
(3)介護用品の販売
(4)設計管理業務
この部門はまだ新しく、今年の1月に1級建築士事務所を開設しました。
従業員は現在、常勤が9人、パートが7人で、人材派遣会社から1人来てもらっています。他にレンタル用品の清掃関係はファミリーケアから派遣されています。
――介護保険の適応を受けた人で福祉用具を使う人の割合はどのくらいですか?
★どの福祉用具が必要かはケアマネージャーさんがケアプランを立てる中で決めるわけですが、介護保険の適応を受けた人の3割が何らかの形で福祉用具を使っています。そのうちのほとんどがベッドと車いすですね。ベッド、車いす、じょくそう予防用具の三種類で90%以上を占めています。以前は、ベッドや車いすを購入する人も多かったそうですが、今はほとんどの方がレンタルを利用されています。
介護保険は自己負担が1割ですから、たとえばベッドのレンタル料でいうと、本体とマットレス、サイドレール、オーバーテーブルを含めて1ヵ月1万5000円とすると、利用者さんの負担は1500円になります。ベッド本体から関連器具まで全部買うとなると相当額になりますから、レンタルは安いです。
――そうすると、需要はかなりあるわけですね。
★当社のレンタル利用者は現在延べ1260件になりました。去年の4月段階で850件でしたから、約1・5倍の伸びです。売上げで見ると、去年12月と今年1月は月約2500万円でした。去年の4月は1771万円でしたから、月の比較で700万のアップです。
全国的にも需要は伸びていて、介護保険の福祉用具に関する給付額は150億を超えました。
いいものをできるだけ安く
――ここの特徴というと何でしょうか。
★皆さんもよく目にしていると思いますが、介護用品を販売する介護ショップはたくさんできています。しかし、福祉用具のレンタルとなると、大手業者の取次店のような形で、福祉用具の在庫を持たずにやっている事業所が60%だそうです。
当社の特徴の一つは、自前の福祉用具の在庫を持って、それをレンタルしていることです。東京民医連関係で、自前で在庫を持って事業を展開している業者は「にこにこサプライ」とうちだけで、全日本民医連でもこの2社だけだと思います。もちろん民間の業者はたくさんありますが。
当社ではベッドだけでも800台以上購入しました。ベッドを購入するとなれば、1台14〜15万円はしますから、これを800台持つとなると、それだけで億単位の資金が必要になる。個人レベルでやれる事業ではありません。そういう意味でも法人間協同で事業を立ち上げることは大きな意義があるといえます。
――自前の在庫を持つことは利用者さんにとってどんなメリットがありますか?
★利益を最優先しないで、できるだけ料金を安くしています。利用者さんの負担は1割ですから、「料金を安くしても利用者さんにはあまり関係ないんじゃないか」と言う人もいますが、ベッドが1500円、車いすが700円と一つひとつは安くても全部合計すると自己負担額はばかになりません。料金が安いというのはサービスの重要なファクターの一つですから、いいものをできるだけ安い価格で出したいと考えています。
住宅改修のノウハウは完全に手にした
もう一つの特徴は、住宅改修が実績をあげていることです。現在、月25件ぐらいのペースでやっています。住宅改修については健和会グループの「らくだや」からやってきていますので、かれこれ6年以上の実績を持っています。ノウハウは完全に手にしたと言ってもいいでしょう。
価格の面でも、他の業者と相見積りになっても勝つ自信があります。介護保険では上限が20万円と決められていますので、そうすると、他の業者は13〜14万の工事で済む場合でも、必要とも思えないような手すりを1本付けて18万に持っていくといったやり方をする所もあるわけです。
当社では、現地の打ち合わせ、見積りから施行まで一貫して自分たちでやっています。介護保険にかかわる住宅改修は、その方の障害の程度に合わせて改修するわけで、経験や知識が必要です。大工さんだからやれるということではないんです。
介護保険にかかわる住宅改修をやっている業者はそれほど多くはありません。福祉用具のレンタル専門のほうがずっと多い。それに、「住宅改修もやります」という看板はあげていても、実際は下請けに出している所が多い。だから、「見積りに来た人と工事の人が違っていて、言った通りのものができない」といったクレームが出る。当社みたいに、見積もりから工事まで全部やる所は少ないです。しかも当社は、PT、OTさんと同行して、利用者さんにとって本当に何が必要かをきちんと判断します。
一人ひとりの利用者さんが望むことを個別に対応してやっていく。これができるのも健和会の補助器具センターが積み重ねてきた実績があるからだと思います。私たちの住宅改修は「安くて質がいい」と高い評価を受けています。
――住宅改修は専門の知識のある人がやっているのですか?
★福祉住環境コーディネーターという資格を持っている人が2人います。もっともこれは、業者を選定するときの一つの目安になるというぐらいの資格で、これがなければだめということではありません。
福祉用具専門相談員の資格は1週間の講習を受ければ取れますので、社員には全員取得してもらうようにしています。基礎的な知識としては2級ヘルパー取得を目標にしています。
情報の発信基地としての役割を
――始めてみて、予想外だったことは?
★レンタルに関しては先の計画が立たないですね。予定が立つのは最長で1週間ぐらいです。たとえば「明日退院しますから、ベッドを入れてください」といった急を要する依頼もあります。それから、「何月何日に退院しますので、ベッドを入れておいてください」という依頼を受けて納入したところ、入院中に亡くなるというケースもあります。こういう場合は即引き上げに行くことになります。
――今年度の目標は?
★本格的なレンタル業としての一人前の姿を追求したいと思っています。そのために目下勉強中といったところです。それから、経営的にも前進しながら、福祉用具、住宅改修の情報の発信基地としての役割を果たしたいと考えています。というのも、福祉用具はまさに日進月歩、現場のケアマネさんはケアプランを立てるうえで何をどう選択したらいいか判断に困っていると思うんです。その辺のところの手助けができるようになりたい。利用者さんにもケアマネさんにも情報を発信できるようになりたいと思っています。
目標の二つ目は、利用者さんへのサービスをもっと向上させること、三つ目は新しい職場の拡大ですね。
三つの目標を実践しながら、今年度はベッドレンタル1000台の早期達成をめざしていますので、ぜひご支援をお願いします。
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