2002年8月29日 区議会だよりNO.38より
エッ!区立保育園6園を民間委託する? |
大田区は「保育サービス充実のための行動指針」と「平成14年度保育園の運営主体の多様化に関する実施要綱」を発表しました。内容は、待機児の解消、保育サービスの充実、地域の子育て支援、運営主体の多様化などですが、平成20年度までに区立保育園6園を民営化(企業参入)するとして、具体的な園名まで発表しています。どうしてこのような動きになったのでしょうか。
《国の規制緩和》
国は1997年児童福祉法改正で「措置」という言葉を削除して行政の責任を逃れ、2000年4月からは、それまで行政か公益法人しか保育園の設置・運営を認めていなかったのを、規制緩和の流れで企業が保育所を設置・運営できるようにしました。
《市町村の役割》
また、2001年男女共同参画会議で「待機児ゼロ作戦」を議論し、「仕事と子育ての両立支援策の方針」について閣議決定し、その推進のために「市町村は…企業が保育所を整備するよう整えなければならない」としました。企業が保育所の受け皿になり、行政の役割は企業を参入させるための条件整備になりました。大田区は国の方針どおりに進んでいるとしか言えません。本当に子どもの発達が保障されるのでしょうか。
今回の区の方針は「保育サービスの充実」と言いながら、国・都・区の保育負担を減らし、国の規制緩和の流れに乗って企業の参入に道を開くものです。
《区内にも企業保育園が》
すでに今年12月1日開園の私立保育園(区の雪谷会館をリフォーム)の選定においても「ビジョン」という株式会社が運営することが8月に決まりました。
企業は当然利益を上げなければなりません。現在三鷹市で始まった企業(ベネッセ)による保育園では、園長をはじめ全員が1年契約の雇用形態で人件費抑制に努めています。またこのゼロ作戦には、初期投資(建築費や人件費)や運営費(収益を自由に使えない)の厳しい使途制限がありますが、これを変えようという動きがあります。そうなるとおのずと施設も狭くなり保育士も少なくなって保育条件の切り下げになります。
《都も補助金削減》
一方都では国に先がけて認証保育制度(無認可と国基準の中間)を発足させました。大田区でもすでに3カ所開設、新たに3カ所の準備が進んでいます。また都は私立保育園への公私格差をなくすための補助金も削減しようとしています。
《公的保育の充実こそ》
これまで区民から「民間委託してほしい」という声が強かったのでしょうか? 子ども文教委員会の質疑のなかでも、どのような保育要求が強いのか調査活動もしていないことが明らかになっています。たしかに公立でも民間でも企業でも、そこで働く方々は子どものために一生懸命です。しかし子どもを成長させるためには、保育の継続性や専門性、人の集団が必要です。核家族で子育てが分からない、また、虐待など深刻な状況が見られるなか、今こそ子どもたちを大切にする公的保育の充実こそ望まれているのではないでしょうか。何よりも子どもたちに最善のものを保障するために、安心して預けられる保育所やゆとりある保育条件を実現するために私は取り組んでいきます。 |