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2003年9月1日 区議会だよりNO.48より
保育園の民間委託ではなく
保育内容の充実と保育園の増設を

《保育合同研究集会に参加》
 いま一番怒りを感じているのが、この間ニュースでお知らせしてきた公立保育園の民間委託問題です。
 いまお金がないなら民営化も仕方がない、もう決まっているのだから仕方がないなど、そういう風潮が強まっていますが本当にそうでしょうか。
 私はこの夏、公立保育園の民営化問題をしっかりつかみたいと全国保育合同研究集会に参加しました。私が参加した「公立保育園の民営化問題を考える分科会」は六年前に始まり、三年前にはひとつの会場には収まらず二つの会場に分かれ、今回も、二つの会場は満杯で、いよいよ民営化が本格的になっていることを感じました。民営化は全国の流れであり、厚生労働省の指導に基づいて、各自治体の部長の業績として取り組み、その内容もパターン化しています。そして、公共的分野が狙い打ちです。
主な民営化の理由として、(1)公立保育園は保育内容が硬直化している、(2)市の財政が厳しいなどです。また、政府の諮問機関に委員として参加している福武ベネッセ社長は「企業は安上がりで、高品質の保育が出来る」「競争させてこそ質のいい保育ができる」と企業参入の道を切り開きました。

《企業の保育園では儲けが優先》
 企業参入で本当に保育の質は守れるのでしょうか。保育は、国が定めている最低基準(例えば0才児一人の配置)があります。ですから、運営費の八割が人件費であり、お金がかかってしょうがないという説です。特に、公立は勤続年数が長くなってお金がかかりすぎると、公務員攻撃と相まって狙い撃ちされたと言えると思います。企業は儲けなければなりません。いかに儲けを上げるかというと人件費を抑えることになります。企業で雇われた保育士の勤続年数は約三年です。また、企業は「英語を教えます」「絵画指導を行います」等を売り物にしています。しかしこのようなことが本当の質でしょうか。保育の質は第三評価事業を用いて評価するといっていますが、その内容は、いかに人件費をおさえているか、サービスメニューをそろえているかに焦点がおかれています。子どもの成長発達はどうなってしまうのでしょうか。 また企業の保育所では労働組合もありませんし、父母の会もなく、地域とのつながりもなくなります。この企業参入という民営化は、雇用を確保するという点からも問題です。

《人を育てる仕事》
 保育は、人が人を育てる壮大な事業です。若い保育士から経験豊かな保育士が、同じ土壌でその子の成長のために力をあわせていく、また、父母や地域の方々とも協力をしていく、その事が大事にされなければならないと思います。欧米での評価は、子どもがどのように成長しているか、将来にわたって調査して出すのだそうです。安上がりではなく、いかに人を人として大事にしていくか、その視点が大切だと思います。

《保育基準の拡充こそ》
 また、外国では、小学一年生でも、子ども十五人に対して一人の先生というクラス編成になっています。大田区では、四才・五才クラスでも三十に対して一人の保育士です。皆さんが三十人の四才児を一日中保育する事を考えてみてください。保育の質を高めるというのなら、最低基準をみなおして一人一人を大事にする保育内容にすべきです。さらに、国は負担を軽くするために補助金制度をなくして一般財源化する方向をねらっています。そうなると、もっと自治体の負担は重くなって民営化を進めるでしょう。
 私はさまざまな角度から見たときに、弱い立場にいる子ども達の権利が一番阻害されている事を感じます。子ども達の権利を守るためにも、企業への民間委託は撤回すべきだと思います。



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