児童扶養手当の削減中止に関する意見書(案)
母子家庭は、子どもを抱えながら就業し、収入も低い状況にあって、父親からの養育費を受けられていない家庭が大半にのぼる。子育てと生計を母親が一人で担っているため、社会的、経済的、精神的な負担も大きく、子育てと仕事の両立や、より収入の高い就業を可能とする支援や、養育費の取得を促進する支援が必要となっている。
このようななか、児童扶養手当は、母子家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的とする「児童扶養手当法」に基づき、児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支給されているもので、これまで、多くの母子家庭の暮らしを支えてきた。
しかし、2003(平成15)年4月に児童扶養手当法の一部が改定され、手当の受給開始から5年を経過したとき、又は受給要件に該当後7年を経過したときは、手当の額を最大で半額まで削減することとされた。
この児童扶養手当の減額は2008(平成20)年4月1日から開始され、その減額割合は、今後、政令で定めることとされている。
これに併せて、母子及び寡婦福祉法の一部改正及び母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法の施行により、就業・自立のための支援策が強化されたが、9割近い母親はすでに働いていながら収入は低く、今なお厳しい生活水準にあることに変わりない。
茨城県が2004(平成16)年度に行った調査によると、県内の母子家庭の58.7%が就労による年収が200万円以下である。年数を経ても収入増につながっておらず、多くの母子家庭が生活保護基準さえ下回る収入で暮らしている。
こうした母子家庭の生活水準から、児童扶養手当の減額は大きな痛手となることが懸念される。
よって、国においては、母子家庭の厳しい生活水準に十分配慮し、児童扶養手当の減額を凍結・中止するとともに、自立に向けた就労支援策等の一層の充実を図られるよう強く要望する。 |